間取りを考えるとき、何を思い浮かべますか?


土地関係の話が続いていますが、今日は我が家のリビングの主役について少し。


ミッドセンチュリーハウスで提唱している、家具からはじめる家づくり。

これは、空気感まで含めてトータルでよりかっこよく心地良い空間にしたい!という思いから。
それから、かっこいいビンテージ家具と出会って、「これを家に置きたい!置こう!」となったとき、間取り的に無理(涙)。となることを避ける狙いもあります。


後者の目的に関して言えば、ミッドセンチュリーな家やビンテージ家具に限らず起こりうる問題で、家具を販売しているなかで何度も目にした現実でした。


現代の日本の家具と家でも起こるこの問題。


それがアメリカやヨーロッパで、50-70年代に使われていた家具ですから、現代の日本の生活様式とは少しサイズ感や用途が違っていたりして、日本のお家では”帯に短したすきに長し”、みたいになることは多々あります。


ならば、せめて新築の際は泣く泣くあきらめることがないようにしたい!と。




家具からはじめる家づくりには、さらに大きなメリットがあります。


「あのソファに座って外を眺めたいから、この窓はこの高さで」とか、
「チェストの脇にランプを垂らしたいからここに配線が必要」とか、

置く家具やそれを使う自分や家族をイメージして家づくりすると、住み始めてからの満足度が断然違ってきます。
midcentury interior

後々になって「ここにコンセントがあれば良いのに!」とか「ソファに座ってもなんか視界がごちゃついていて寛げない」ということが起こりにくい。

もちろん住み始めてからじゃないとわからない部分もあるとは思うのですが、それでも余りあるメリットがあると思うんです。





我が家も、置きたいソファが頭の中にあって、それを置く前提で部屋の広さを決めました。


ソファが手に入るか全くわからない状況で、です 笑


ヴィンテージ家具の画像をみていて、一目ぼれしてしまったソファ。
家を建てるときはあれを置きたい、と秘かに憧れていたソファ。

Adrian Pearsall Sofa
エイドリアン・ピアソールのソファ

でも、自分たちの手に届くものなのかもわからないし、そもそもタイミング良く買い付けで見つかるかもわからないし。

最初に設計士さんがプランを出してくれたときは、そんな思いもあって胸に留めたままでいました。


何回目かの打ち合わせのとき、そろそろ詰めていく感じになったとき、思い切って言ってみました。


「3mほどのソファを置きたいと思っているんです。手に入るかわからないけど。」




そうして、我が家のリビングは3mのソファを置けるサイズになって完成しました。




もとのままの間取りでも、無理矢理置くことはできたと思います。
でも、実際に置いたときの余裕や全体のバランスは、やはりソファありきで考えた部屋サイズでないとダメだっただろうな、と。

ソファ以外にも、後々家具やランプが増えたり配置を変えたくなっても良いように設計してくれたおかげで、その後イージーチェアやランプが増えても

「置けない」
「コンセントがない」

ということもなく、時々配置を変えたりと楽しんでます。

(そしてまだまだ増やそうと目論んでいます!)



念願のソファも、当初のサイドボードと並行な位置から90度回転させたところに今は鎮座。

入居時はまだ子供がハイハイ~つかまり立ちの時期で、つかまって歩きやすい動線にしていたのを、歩き回り走り回るようになった最近は、サイドボードと垂直にして自由に動けるスペースを広くとりました。


これも3mソファありきで設計してもらったおかげです。




さらに、子供がいたずらしなくなったらソファのサイドテーブルにランプを置けるように、どっちの配置でもちょうどテーブル下に床埋めのコンセントがくるようになっていて、子供の成長にあわせてリビングの使い方もかえていけるようになっています。

エイドリアンソファとランプ
いつかこんな風に!


こうして憧れのソファを存分に味わうことができるようになっているのも、間取りの段階でこのソファを想定しておいたおかげだな、と。



イヤイヤ期まっさかりの子供と過ごす慌ただしい毎日のなかで、このソファにすわって(あるいは寝ころんで)、ひとり庭の木や草花をながめるのがリラックスするひと時。

そのうちサイドテーブルも子供のおもちゃから解放されて、テーブルランプやオブジェを置いて、、なんていう落ち着いたリビングの姿に変化していくんだろうな。

その時にまた、この間取りのポテンシャルが発揮されるのが楽しみです。


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